竜神

祖父の故郷、大好きな青森には、

物部という一族がいたそうです。

蛇&竜を神とし

自然を敬った巫女の一族だったそうです。

丁度、秩父に行くことを姉に告げた時、そんな話を耳にしました。

夏から、目の前に龍の顔が現れるようになりました。

僕は、観えたことには慎重派です。

あれがみえた、これがみえた等と騒ぐことはありません。

 

霊能者に人生の経験値が求められるのも、

ほとんどの場合、観えるのはヒントであり、その解釈には

豊富な経験が求められるからでしょう。

龍の顔・・・僕は江ノ島に行くときなのかな、そう考えました。

御塩もなくなったしと。

しっくりしなかったので、龍の事は棚上げしていました。

手放すと、おのずと答えが訪れます。

 

祖母の庭に行ったある日、姪達が遊んだ龍の置き皿がおいてありました。

それを祖母からもらい、家の神棚に置きました。

龍にまつわる出来事はその他にも多々あり、

僕は友人、茂美さんに電話をしました。

「江ノ島に行くけど、行く?」と。

この頃は、毎日が”ヒント”だらけでエキサイティングでした。

 

ある晩、

月読神社の扉は開いていて、赤い絨毯には二つの椅子があり、

「おいでなさい。」そう聞こえました。

 

翌朝、僕は神主さんに電話をしていました。

電話に出られたおばあさまの声は真っ白い光のようでした。

「ご祈祷にいらっしゃいな。」そう仰いました。

いつかは氏神様でと思っていたので、感慨深かったです。

ご祈祷の日は、姪&家族と特別な一日になりました。

茂美さんに改めて確認の電話をすると

彼が言いました。

「江ノ島に行く事をテレビを見ながら考えていたら、

”レッドアロー号で秩父に行こう!”

ってコマーシャルが流れたの。秩父に行かない?」と。

「いいよ。行く!」二つ返事で決まりました。

車窓からみえた早朝の秩父は霧が立ち込めていて、

ピンときました。

まるで十二単のように織り成す山々は、紅葉が綺麗で迫力がありました。

三峰神社は、ヤマトタケルが日本の産みの神、

イザナギ&イザナミの尊を祭った神社です。

大犬神様がシンボルで、日本の神々も祭られていました。

とても美しい神社に、”日本”を強く感じました。

神木は素晴らしく、厳かな空気でした。

 三峰神社の奥宮は、山の頂上にありました。

自然&山登りの領域でした。

空気がとっても美味しかったです。

樹齢1000年の森、

踏み歩いて聞こえる枯葉の音&香り・・・心地好かったですが、

そんな事はどうでもよくなっていました。

険しい登山は、ハードで無心になりました。

「熊出没に注意!」と看板がありました。

枯葉に埋もれた木の根っこに何度もつまずきそうになったり&滑ったり

ボコボコした山道は、落ちたら谷底でした。

友人は、山修行と言っていましたが、とても平和な気持ちになったそうです。

空気は薄く、アスレチックのようでもありました。

山登りって楽しいですね。

頂上に座り、山々を眺め、僕はスニーカーを見つめていました。

お気に入りのアディダス、昔、友人のちーちゃんと代官山で買いました。

ちーちゃんは可愛い赤ちゃんのママになり、

初秋に会った彼女は、マリア様のようで

美しく満たされた、静かな山のようでした。

そんなちーちゃんに会う前夜、姉家族が泊まりにきました。

姉と夜更けまで話しこんで、床に就きました。

目を閉じると、僕と姉は断崖絶壁にある巣穴の中にいました。

大きな鳥の巣のようで、沢山の枯れ木でつくられていました。

そこには美しいマラカイトのように輝く翠色の龍がいました。

龍の尻尾の辺りに僕達は横たわっていました。

とても気持ちよく温かかったです。

ズーッとゴロゴロしていました。

一睡もしなかったけれど、次の日は素晴らしい気分でした。

 

この体験は、衝撃的でした。

秩父には、断崖絶壁がありました。

古宮までの山道に、その龍の巣があるのではないか、そう思っていました。

ありませんでしたが、

最高に幸せになりました。

 

頂上から降り、

何かに導かれるように、また裏山へと登りました。

優しい友人は「また登るの?」といいつつ、ついて来てくれました。

裏山は、斜面でした。

名も無い小さな鳥居が、ポツリとありました。

クリスタルが置いてあって、体がバチバチなりました。

小さな神社には水の排水溝が二つあって頭上には木の根に緑のコケで覆われた

龍の顔がありました。

鳥肌が立ちました。

側には枯れ木が積まれていて、僕はとても嬉しかったです。

僕と姉がいた場所をやっと見つけたからです。

宝探しゲームが終わったようでした。

友人は温泉に入るとの事だったので、僕はほとんど人が通らない

この神社にある水色の岩に座ってゆっくりと過ごしました。

ここは竜神様の住処です。

僕は、確信しています。

ここの煌く&渦巻く気は、強烈でした。

関東一のパワースポットと言われている、三峰神社。

ご祈祷の種類もそれは凄い量で悪魔祓いなんていうのもあるのですね。

ご希望の御祈祷もあげてくれるのだとか。

 

擦れ違った&話した人に懐かしさ&同じ空気を感じました。

 

また、姉、家族&友人達と訪れます。

 同級生が亡くなったことを、幼馴染のまどかが教えてくれました。

登山は、前進あるのみでした。

苦しみの先には、平安がありました。

亡くなった彼女に

「一段落したら、三峰山行ってみてね。」僕はそう言いました。

「行く。思いっきり走りたいの。」彼女はいいました。

竜神様に祈った一日でした。


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